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Webサイトへの不信感は、顧客喪失に直結:「怪しい」と感じると75%のユーザーは競合他社のサイトへ
日常のブラウジングは今、かつてないほど大きな「リスク」と隣り合わせにあります。フィッシング詐欺、偽のショッピングサイト、個人情報の流出といったニュースが絶えず、本物そっくりの偽ページも驚くほど簡単に作成できるようになりました。ユーザーがメールやSNSのリンクからサイトに辿り着いたとき、目にする「わずかな視覚的・動作的な違和感」は、今や重大な警告として受け取られます。ページの読み込みが不安定だったり、ドメインがわずかに異なっていたり、予期せぬポップアップが表示されたりすることは、もはや単なる「無害な不具合」ではなくなったのです。
「Liferay 2026 Broken Trust Report(信頼の崩壊に関する調査レポート)」は、ユーザーがブラウジングを続けるか、あるいは中断するかを左右する「決定的かつ些細な瞬間」に焦点を当てています。本調査では、ユーザーが「何かおかしい」と感じたときにどのような行動をとるのか、そして何がその体験を「安全」だと感じさせ、利用を継続させる要因になるのかを検証しました。
LiferayのCMO(最高マーケティング責任者)であるブライアン・チュンは次のように述べています。 「お客様が慎重になるのには、十分な理由があります。至る所で詐欺に遭遇する今の時代、わずかなミスマッチもリスクとして捉えられるのです。信頼は、ページの挙動や表示されるシグナルによって、わずか数秒のうちに判断されます」
デジタルエクスペリエンスプラットフォーム(DXP)のリーディングプロバイダーであるLiferayは、2025年12月に外部調査プラットフォームPollfishと提携し、米国の18歳以上の男女1,000名を対象にアンケートを実施しました。回答者は、最近遭遇した「怪しい」または「違和感のある」体験や、その後の行動、そしてデジタルジャーニーを安心して進める決め手となったシグナルについて共有してくれました。
主な調査結果
- 「一発退場」の信頼経済 デジタルの信頼は非常に壊れやすいものです。回答者の61%が、Webサイトで一度でも「違和感」を感じると、そのブランド全体に対する信頼度が変わると回答しています。
- 「安定性」こそが新たな信頼の指標 回答者の71%が、Webサイトの「信頼性(安定して動作すること)」は、企業全体を信頼するかどうかを左右する大きな要因であると述べています。
- Webサイトが安全でないと感じたり、挙動が不審だったりする場合、回答者の75%が「目的を果たすために競合他社のサイトに切り替える」と回答しています。
- 「立ち去る」という直感 ページの見た目がいつもと違ったり、動作が不安定だったりすると、回答者の40%が即座に安全性を疑い、28%は何もせずすぐにサイトを離脱します。
- 大手ブランドも例外ではない 有名であることは盾になりません。回答者の91%が、「誰もが知る大企業であっても、偽サイトやサイト改ざんの被害に遭う可能性がある」と考えています。
警戒する顧客:些細なミスがユーザーを瞬時に止める
使い慣れたサイトがいつもと違う挙動を見せたとき、ユーザーは身を守るために素早く動きます。40%が即座にサイトの安全性を疑い、29%は操作を慎重にして注意深く観察し、28%は即座にサイトを離脱します。一方で、ほとんど気に留めないユーザーはわずか4%に過ぎません。これこそが、現代のユーザーが実践している「デフォルトとしての警戒心」の正体です。
「一瞬の違和感」がブランドへの信頼をリセットし、「安定性」が企業の信用の指標に
サイト上のわずかな不具合(グリッチ)が、ブランドに対する評価を根本から見直すきっかけになります。回答者の61%が、「サイトで一度でも違和感のある瞬間を経験すると、運営企業に対する信頼度が変わる」と答えています。さらに71%が、「サイトの安定性(信頼性)は、その企業自体が信頼できるかどうかを判断する主要な要因である」と回答しました。
事実上、「ページが安定して動作すること」は、今や企業の「信頼性」を証明するエビデンス(証拠)として機能しているのです。
これに対する実務上の対策は明確です。アセットエラーを減らし、レイアウトの崩れ(レイアウトシフト)を防ぎ、一貫性のない箇所をリリース前に修正すること。万が一、不具合がユーザーの目に触れてしまった場合には、何が起き、何が改善されたのかを簡潔に説明するメッセージを表示することが、信頼の回復に繋がります。
セキュリティ警告は即座の離脱を招く:特に高年齢層で顕著な傾向に
セキュリティ警告が表示されると、多くのユーザーがその場でブラウジングを終了します。以前利用したことのあるサイトであっても、ブラウザのセキュリティ警告に直面した場合、回答者の過半数に近い47%が即座にサイトを離脱しています。29%は他でも同様の問題が起きているかネットで検索し、12%はブランドに直接問い合わせ、8%は別のデバイスから再試行しますが、そのままサイトの閲覧を続行する人はわずか4%に過ぎません。また、75%のユーザーが「予期せぬ挙動は安全ではない可能性がある」と同意しています。
この結果は、証明書の期限切れ(一時的なエラー)やスクリプトの不備といった、システム上は「些細な欠陥」に見える問題が、なぜその実態以上に大幅なセッション低下を招くのかを明確に示しています。離脱率は年齢とともに上昇する傾向にあります。警告後に即座に離脱する割合は、Z世代(38%)やミレニアル世代(37%)に対し、X世代は46%、ベビーブーマー世代は58%、サイレント世代では70%に達します。このリスクは、検査結果の確認、保険金の請求、支払手続きといった機密性の高いタスクが発生する「ヘルスケア」「福利厚生」「金融サービス」などの業界において、特に深刻な課題となります。
知名度は「注目」を集めるが、「信頼」の担保にはならない
ブランドの認知度はプラスに働きますが、それだけで安全性の懸念を払拭できるわけではありません。回答者の91%が、**「たとえ誰もが知る大手ブランドであっても、偽サイトに見えたり、安全でないと感じたりすることがある」**と答えています。
「画像の欠落、レイアウトの崩れ、ボタンの誤作動など、有名企業のサイトが正しく表示されなかった場合にどう反応するか」という質問に対し、29%が「即座にサイトを離脱する」、28%が「安全ではないと判断する」、22%が「本物を装った偽サイトをクリックしたのではないかと疑う」と回答しました。また、見慣れないドメインを避ける傾向も一般的で、91%の回答者が「未知のドメインは、少なくとも時々は避けるようにしている」と報告しています。
リスクの兆候が取引を停滞させ、顧客を競合他社へ流出させる
サイトが安全ではない、あるいは挙動が不審だと感じた場合、多くのユーザーが「離脱」を選択します。今回の調査では、69%の回答者が「詐欺への懸念から、完了させようとしていた購入を途中で断念した経験がある」と報告しています。さらに、75%が「同じ目的を果たしたり、同じ商品を購入したりするために、競合他社のサイトに切り替える」と回答しました。
購入の中断は、特に若年層で顕著です。18歳から24歳の回答者の78%が「不安を感じて取引を中止したことがある」と答えたのに対し、65歳以上の層では64%に留まりました。
また、「詐欺に遭いそうになった」と感じた後の心理状態について尋ねると、47%が「苛立ち」、47%が「安堵」、45%が「怒り」、42%が「フラストレーション」を挙げました。たとえ金銭的な実害がなかったとしても、こうした複雑でネガティブな感情が入り混じることが、失った信頼の回復をいかに困難にしているかを物語っています。
明快な対話と一貫したデザインが「安全性」を再構築する
Webサイトの安定性(信頼性)は、世代を問わず共通の信頼醸成要因です。Z世代、ミレニアル世代、X世代、そしてベビーブーマー世代の68%〜72%が、「Webサイトが安定していることは、その企業を信頼する大きな理由になる」と述べています。
ユーザーは「不安を感じる瞬間」に遭遇した後、どのような対応があれば助かるかについても具体的な考えを持っています。47%が「何が起き、何が修正されたのかを説明する、明確で目立つメッセージ」を求めています。一方で、11%のユーザーは「一度損なわれた信頼を再構築するために役立つものは何もない」と回答しており、初期対応の重要性が浮き彫りになっています。
また、ユーザーが安心感を得るための「信頼のシグナル」として、以下の順位が挙げられました。
- セキュリティバッジ
- 有名なブランド名
- 一貫性のあるデザイン
これらは、ユーザーが無意識のうちに行っている「安全確認」のチェックリストなのです。
「ブランド認知は、あくまで出発点に過ぎません」と、チュンは述べています。 「何かおかしいと感じた瞬間、ユーザーは本物かどうかの再確認を始めます。その一瞬が、サイトに留まるかどうかの分かれ道となるのです。つまり、Webサイトの挙動こそが信頼の中核であり、ひいては収益の根幹をなすものなのです」
離脱を防ぎ、信頼を回復するための実践的アドバイス
- Webサイトの挙動を安定させ、重要ページでの警告をゼロにする SSL証明書の有効期限管理の徹底、HSTS(HTTP Strict Transport Security)の導入、および警告の引き金となるような不審なアセットやスクリプトをブロックし、常に安定した閲覧環境を維持してください。
- あらゆる訪問において「本物であること」を証明する ログインや決済画面までドメインの一貫性を保ち、リダイレクトを最小限に抑えます。また、コンポーネント管理(ガバナンス)を徹底し、レイアウトやテキスト表現が常に統一されるようにしてください。
- チェックアウト時の「詐欺リスク」を感じさせない工夫をする 唐突なポップアップや別ドメインへの遷移を排除し、カート機能や認証画面をページ内に収めます。また、アクションボタンの横に「安全なログイン」「データは保護されています」「安全な決済」といった短い安心感を与えるメッセージを添えることも有効です。
- 不具合発生時には明確なコミュニケーションを行う 何が起き、何が修正され、現在は正常な状態に戻っていることを説明する、簡潔で目立つメッセージを表示してください。
- 世代に合わせた対策を講じる ベビーブーマー世代やサイレント世代に対しては、離脱に直結する「ブラウザの警告画面」を徹底的に排除することを最優先します。一方、Z世代やミレニアル世代に対しては、購入中断を招きやすい「ポップアップ」「外部ドメインへの遷移」「複雑な決済ステップ」といった「詐欺サイトを連想させるパターン」を取り除くことが重要です。
業界を問わず、ユーザーは「一貫性」を安全のシグナルとして捉えています。体験が期待から外れたとき、多くのユーザーは身を守るためにサイトを離脱することを選びます。
データが示す対策は明白です。リスクを感じさせる予兆を排除し、ドメインやコンポーネントを予測可能な状態に保ち、不具合修正時にはわかりやすい言葉で説明すること。サイトが期待通りに動作すれば、ユーザーはログイン、フォーム送信、決済といった本来の目的を完遂してくれます。
信頼とは、その瞬間に下されるリアルタイムな決断です。 そしてその決断の結果は、「タスクを完了するか、それとも立ち去るか」というユーザーの行動に如実に表れるのです。
調査概要
ライフレイは2025年12月、外部の調査プラットフォームであるPollfishを使用し、18歳以上の米国成人1,000名を対象としたオンライン調査を実施しました。回答者は、米国内のあらゆる地域および人口統計をカバーする幅広いサンプルから抽出されています。また、データの品質管理のため、すべての回答に対して調査員による精査を行っています。
※数値は四捨五入して整数で表記しているため、また複数選択回答が可能な項目があるため、合計が100%にならない場合があります。
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